アンカー・スチームビールは、
ビール好きの間で「小さいことは良いことだ」を実践する
小規模ビール醸造所として知られています。
1896年にサンフランシスコでビール作りをスタートしたアンカー社は、
幻となっていた「スチームビール」を半世紀ぶりにリバイバルさせたことにより、
一躍有名になりました。
原産国:アメリカ
金額:358円
購入場所:イオン
スチームビールとは、本来、低温(5~9度)で発酵させるはずのラガー酵母を
エール酵母のように高温(15~25度)で発酵させることにより生まれたビールで、
ラガー特有のコクと麦香と、
エールのような華やかな香りを持ち合わせた稀有なビールとして
口コミでサンフランシスコで評判となり、ついにはアメリカ全土で有名になりました。
アルコール分:4.9%
内容量:355ml
日本で販売されているアンカー・スチームビールは
品質保持のため、サンフランスコより冷蔵コンテナにて輸入されたビールだそうで
その強いこだわりに、期待がふくらみます。
見た感じは透き通った薄褐色。
ラベルの但し書きには、
生きた酵母を使っているため、オリが生じることもあると書かれていますが
今回の一本は綺麗に澄み切ったものでした。
香りはそんなに強くはありませんが、
麦特有の香ばしいような良い香りがします。
一口含んでみると、まず甘さを感じました。
といっても嫌な甘さではなく、麦芽糖を思わせるような天然の甘さで
たっぷりと良い麦を使って仕込んでいる情景が浮かびました。
グラスの色合い、そして初めに甘さを感じたので
さぞかし濃厚なビールかと思いきや、
何口飲んでも後味はすっきり、苦味も強くなく、
味わいに関しては、見た目ほどの個性の強さは感じませんでした。
かといって決して軽いわけでもなく、非常に味わい豊かです。
ヨーロッパの、例えばシメイのようなビールが重過ぎると感じる方には
このスチームビールは好みに合うかもしれません。
ラガーとエールの中間点を、ちょうど美味しくつなぎ合わせたという感じがします。
アメリカのビールというと多分、
水代わりにゴクゴク飲むような、カジュアルで軽い味わいが主流だと思います。
しかしこのアンカースチームは「グルメ・ビール」と言いますか
ラフにゴクゴク飲み干すようなものではなく
じっくりと麦の醸し出す旨みを感じながら、一口一口を大事に味わいたいビールだと思いました。